事業に必要な許可は、業種ごとに決まっています。
事業を始めるとき、あるいは事業内容を変更するときには、業種に応じた許認可が必要になる場合があります。無許可営業は行政処分や罰則の対象となるほか、取引先との契約条件に影響することもあります。
当事務所では、必要な許認可の確認、要件の診断、申請書類の作成、行政庁への申請手続を取り扱っています。以下では、許認可制度の基本的な仕組みを整理します。
「許認可」は一種類ではない
法令上、規制の強さに応じて呼び名と手続が異なります。
| 種類 | 性質 | 例 |
|---|---|---|
| 許可 | 原則禁止されている行為を、個別に解除するもの | 建設業許可、風俗営業許可、産業廃棄物収集運搬業許可 |
| 認可 | 行政庁の同意によって効力が生じるもの | 保育所の設置認可 |
| 免許 | 特定の資格・地位を与えるもの | 宅地建物取引業免許、酒類販売業免許 |
| 登録 | 一定の要件を満たす者を名簿に記載するもの | 旅行業登録、電気工事業登録 |
| 届出 | 一定の事項を行政庁に知らせるもの | 深夜酒類提供飲食店営業開始届、貨物軽自動車運送事業の届出 |
届出は形式が整っていれば受理されるのが原則ですが、許可は行政庁の審査を経る必要があり、要件を満たさなければ取得できません。
許可要件でよく問われる3つの観点
多くの許認可は、次の観点から要件を定めています。
人的要件
経営経験や資格を持つ者が在籍しているか、欠格事由に該当しないか。建設業許可における経営業務の管理責任者・専任技術者などが典型です。破産手続開始決定を受けて復権していない、一定の前科があるといった場合、欠格事由に当たることがあります。
財産的要件
事業を継続できる財産的基礎があるか。建設業許可(一般)では自己資本500万円以上または500万円以上の資金調達能力が求められます。
設備・場所的要件
営業所や施設が基準を満たしているか。飲食店営業許可における厨房設備や手洗いの構造、風俗営業許可における用途地域や保全対象施設からの距離制限などが該当します。
このうち場所的要件は、物件を契約した後では変更が難しく、後戻りができない点が特徴です。店舗や営業所を決める段階で確認しておく必要があります。
主な許認可の標準処理期間の目安
| 許認可 | 窓口 | 期間の目安 |
|---|---|---|
| 建設業許可(知事・新規) | 都道府県 | 約30〜45日 |
| 宅地建物取引業免許(知事) | 都道府県 | 約30〜40日 |
| 飲食店営業許可 | 保健所 | 約1〜2週間 |
| 古物商許可 | 警察署(公安委員会) | 約40日 |
| 産業廃棄物収集運搬業許可 | 都道府県・政令市 | 約1〜2か月 |
| 一般貨物自動車運送事業許可 | 運輸局 | 約3〜5か月 |
※標準処理期間は書類が受理されてからの期間で、書類の準備期間は含まれません。また補正が生じるとその分延びます。事業開始日から逆算した計画が必要になります。
取得後にも続く義務
許可は取れば終わりではありません。
- 有効期間と更新:建設業許可は5年、宅建業免許は5年、産廃収集運搬業許可は5年など。期間を過ぎると失効し、新規取得からやり直しになります
- 変更届:商号、役員、営業所、資格者の変更などが生じた場合、定められた期間内に届出が必要です
- 決算等の報告:建設業許可では毎事業年度終了後4か月以内に決算変更届の提出義務があります
更新時に過去の変更届が未提出であることが判明し、遡って処理が必要になる例がみられます。